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みぎまつコラム

地方自治・分権

地方分権のかたち(1)~自立する地域と国家へ~

2008年04月13日

 「平成の大合併」によって基礎自治体としての枠組みが大きく変わりはしたものの、駆け込み合併の要因の一つである合併特例債のバラマキによって、逆に財政悪化につながった自治体や、いわゆる三位一体の改革と叫ばれる中で地方交付税が削減されたことで、財政難や住民負担の増大につながる自治体が発生しているという、様々な問題点が一方で露呈しています。税財源の移譲で、真の地方分権実現を見据えた改革には程遠いものと言わざるを得ません。そもそも、地方税を充実させるための自治体裁量権の拡大、つまり課税権の移譲が三位一体改革の趣旨であることに私は大きな疑問を抱いておりまして、本来は、国と地方の役割分担を明確にし、国家財政を地方へ移譲していくことで地方分権への道筋をつくっていくことが目指すかたちではないかと考えております。従って、上記一連の改革は、地方分権改革と言うよりも、むしろ一つの財政改革と言った方が適切であろうと思います。

 さて、今から136年前に、明治新政府によって現行の国のかたちの基礎となる中央集権国家体制が築かれたわけですが、戦後改革を経て60年が過ぎた今、官僚統治機構の制度疲労が否応なく目に付いてきており、国益や国際競争力、更には地域活性化という観点からも、現在の統治システムが成長への大きな足かせとなっていることは明白であろうと思います。肥大化した国家システムから、決定プロセスの簡略化や無駄なコストの削減を図っていくことと、今後ますます激動が予測される国際社会への的確な対応力を培うには、国家の役割を絞っていき、内政における権限の多くを地方や地域に移譲していく「地方主権国家」という新たなパラダイムシフトを志向していくことが求められます。基礎自治体の主体として、道州制の導入もその一環として取り組んでいかなければならないと考えます。

 防衛、外交、司法、教育の基本政策、マクロ経済、通貨通商、エネルギー政策、年金や医療など社会保障基盤のように、国の基本にかかわる統一的政策のみを国政が担い、中央行政のスリム化を徹底して行い、国際社会で真に自立することが、国家としての至上責務と存じます。そして基礎自治体においては、地域住民および地方自治体が主体的に物事を決定し、個性豊かな地域社会を形成していくと同時に、結果責任も負う行政システムを構築していくことが肝要になってまいります。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 地方自治・分権

外国人地方参政権の問題

2008年03月06日

 永住外国人への地方選挙権付与問題をめぐっての議論が活発化しています。この参政権というものは国家の基本にかかわる事柄なので、冒頭に私の見解を申し上げますと、地方参政権とはいえ国民主権にかかわる問題を十分にはらんでいることから、反対の立場にあります。過去9年間に廃案4回、継続審議22回が示す通り、永住外国人に地方参政権を付与する法案は、与野党内でも賛否が分かれ、扱いの難しい問題であろうと思います。

 反対の立場から理由を述べさせて頂きますと、まず一つは冒頭申し上げましたように、参政権と言うものは、国、地方にかかわらず「国民固有の権利」であるからです。そもそも、納税や永住していることが根拠で認められる権利ではなく、あくまでも日本国籍を有することで、我が国に帰属意識を持つことが前提となる国民固有の権利と言えます。従って、帰化をして頂き、日本国籍を取得することが、日本の政治への参加の道を開くものと考えます。帰化条件についてですが、喪失要件(元の国籍を失う)や善良な素行の他、緩和される場合もある5年以上の継続住居や生計の営み、年齢条件を含めた7つの条件を満たせばほぼ受け入れられており、申請の簡素化も図られてくると思いますが、届け出制や一律付与後の選択制など、あまりにも行過ぎた緩和には賛成できません。国籍法改正法案が提出されればその中身の吟味も必要であろうと存じます。二つめに挙げる理由は、東アジアの現状を鑑みると、参政権が近隣諸国を巻き込んだ政争の具に利用される危惧を払拭できないからです。もともと私は、近隣諸国との関係において、互いに相手国に敬意を払い合うことを根底に置いた友好関係を構築していきたいと考えておりますが、既に決着のついた参政権付与問題を要人外交で彼の地に行く度に、公約するかのごとく対話のテーブルで引き合いに出すことには違和感を覚えます。内政のことは、しっかりと自国のコンセンサスを得た上で、外交の場で公表すべきで、リップサービスする類のものではないと存じます。最後に三つめの理由として、これは政治関係者は万一の事態も想定せねばならないところから、仮に有事が起きた時に、「国防」という見地から問われる問題です。勿論考えたくはないことですが、外国籍を持つ方の国と我が国の有事の際、どのような行動を取られるのか、国防の面に限って言えば懸念と不安を感じざるを得ません。以上、大きく三つのことから、外国人地方参政権の問題点を述べさせて頂きました。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 地方自治・分権

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