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みぎまつコラム

医師不足の問題について~臨床研修制度~

2008年08月02日

 全国の公立病院、自治体病院の多くが経営難に陥っており、地域医療体制は崩壊の危機にさらされています。千葉県銚子市で、市内唯一の公立病院が来月(9月)いっぱいで閉鎖になることが明らかになりましたが、それを受けての市民のコメントで、「市役所がなくなるよりも、この病院がなくなる方がよほど困る」との発言が印象に残りました。この極端な発言に、地域住民の切実なる生の声が代弁されていることを、国政、厚労省、総務省、自治体は再認識しなければならないと思います。自治体病院の赤字経営は随分前から指摘されています。10年前には既に、全国の自治体病院の約半数が補助金を投入しても赤字状態になっています。民間病院の設備および医療水準向上や数の増加に伴い、自治体病院の設立当初の目的が薄れ存在意義が問われたり、非効率な経営体質を指摘されることもありますが、救急サービスを始め不採算分野を担ってきたこともまた事実です。また、地域で唯一の公立総合病院のところも少なくないことから、地域医療現場の実態をしっかりと把握し、有効な手立てや政策の見直しを図っていくことが喫緊の課題であります。

 全国で約1,000ある自治体病院の内、10年前の5割から今や約9割が赤字経営といわれています。その厳しい経営状況に追い込んだ一つの要因として、2004(平成16)年に改正した「臨床研修制度」がクローズアップされてきています。給与や保障、労働条件などで劣悪な研修環境であった大学の卒後教育の見直しを図る目的で改正されたわけですが、施行後の新たな問題としてマッチング制度が浮上してきています。研修先を自由に選べるようになったことで、研修医が都市部の病院に集中するようになり、それを端(たん)に地元大学病院が関連病院への派遣医師を引き上げることで地方の病院で医師不足に拍車がかかり、前述の銚子市立病院のように閉鎖に追い込まれる自治体病院が出てきました。病院による医師の受け入れ競争も過剰になってきており、競争力の無い病院は地域で必要な病院でさえも淘汰されるという過酷な状況になってきています。地域医療の崩壊にも直結する医師不足は看過できないところまできており、白い巨塔で社会問題になった大学病院の医局制度の透明性といかに両立を図っていくか、今、地方の医療現場は重大な局面に立っています。

右松たかひろ

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