ホーム > みぎまつコラム > イージス艦の衝突事故を受けて

みぎまつコラム

イージス艦の衝突事故を受けて

2008年03月03日

 国防とは、言うまでもなく「日本人の生命と財産を守る」ことにあります。我が国が誇る最新鋭の防空システムを備えた海上自衛隊の護衛艦が、房総半島沖合いにて、いとも簡単に漁船である清徳丸に衝突したことは、ごく一部の隊員たちとはいえ国防の意義や意識の希薄さを国民に少なからず与えたことや、情報開示の不徹底さや情報操作の可能性も含めた防衛省の体質的な問題の表面化、更にはこれから行わなければならない改革の不明瞭な部分など、国益の面から考えても看過することのできない重大事件であります。まさに、痛恨の極みと言わざるを得ません。福田総理が昨日被害者宅を訪れ、謝罪と未だ行方の分からない2名の捜索活動を継続する意向を示されましたが、事故の詳しい状況や原因をしっかりと精査し一刻も早く公表することはもちろんのこと、併せて納得のいく再発防止策を作成して頂きたいと強く求めたいと思います。

 なぜこんな事故が起きたのか、事故の原因で一番焦点とされるのは、国際ルールに準拠する「海上衝突予防法」の第1節の冒頭に「見張り」が明記されるように、海難事故で最も多い衝突事故が年400件程発生している中、その最大原因とされる人為的ミスそのものである「見張り不十分」という可能性の指摘です。国際ルールでは、衝突の恐れがある場合に相手船をさける義務を負う船がどちらなのか、明確にルール化されています。今回の事故のように、横切りの場合は、相手を右に見る船が衝突をさける義務が生じてきます(相手船の左側が見えるのか、右側が見えるのかは、右舷には「緑」左舷には「赤」の灯火をつけていることで確認できます)。つまり、イージス艦「あたご」が、二転三転したのち12分前に気付いたとされる漁船の舷灯の色を察するに、回避義務を負う船があたご自身である可能性は極めて高いと思われます。厳格な教育を受け優れたシーマンシップを身につけているはずの海上自衛隊員が航海の基本となる国際ルールを遵守できていないとすれば、それは即、国家の危機に直結することになります。単に、驕りや気の緩みだけで済まされる問題ではなく、もっと根源的な、組織全体にかかわってくる問題として、組織内改革や隊員の教育制度、あるいは国民の自衛隊への認識・見方をどのように共有していくか、国防意識の高まる呼称変更までをも視野に入れた抜本的見直しを図る時期だと考えます。

 本コラムの「外交・防衛」部門の初稿で、自衛隊の大失態を書かなければならないのはとても残念なことで、自衛隊の崇高な任務や国内外への高い貢献度を鑑みますと、決して本意ではありません。しかし、これを契機に真の国防意識について考え、またしっかりと認識をし、いかにそれを発揚させていくか、私自身その一途にいたしたいと存じます。

右松たかひろ

右松たかひろ後援会事務所 お問い合わせ

右松たかひろ後援会 ひたすら宮崎のために!

■住吉事務所(宮崎市北部10号線)/(写真および地図
〒880-0121 宮崎県宮崎市大字島之内1572番地6
TEL : 0985-39-9211  FAX : 0985-39-9213

□E-mail : info@migimatsu.jp (宮崎事務所本部連絡所および宮崎市北部10号線住吉事務所共用)
□Twitter :https://twitter.com/migimatsu5