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みぎまつコラム

2008(平成20)年度

オバマ政権後の日米関係について

2008年12月16日

 先般のアメリカ大統領選挙でバラク・オバマ氏が当選し、来年1月20日、46歳という若さ、米国史上初めての黒人の大統領が誕生します。アメリカの歴史に新しい1ページが開かれるわけですが、それに伴い、日米の関係も大なり小なり変わってくることが予測されます。しかしその一方で、我が国にとっては大きく国益を損なうことになった北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除や米大統領選挙中での外交話題で日本に触れる機会が殆んどなかったことに象徴されるように、そもそも米国にとって対日関係の重要性が以前と比べ大きく低下しつつある中で、中国やインドをアジアおける戦略的パートナーへ位置づけるなど変遷してきており、加えて国際社会での我が国の発言力の低下という現実を見据えれば、共和党政権でも民主党政権でも日米関係の置かれている状況打開の厳しさには差異がないという指摘もあります。過去の日米関係を紐解く中で、クリントン政権時代の日本パッシングが思い返され、民主党政権樹立は我が国にとって試練を増すという論調は、オバマ次期大統領の外交スタッフに知日派・日本通が多く人選されていることから、必ずしも的を得たものではないと言えます。いずれにしても、日米関係の構築はこれから更に難しい局面に入ってくることになります。

 日本の政治家や外務省がこの局面をどう乗り越えていけるかが問われてくるわけですが、私は、アメリカの対アジア戦略や政権が変わることは、むしろ我が国にとって、日米関係を新たなステージに移していく好機になるものと受け止めることが必要だと考えております。国際社会も認める日米関係を日本は築いていかなければなりません。そのためには、我が国は、自立した普通の国家、同盟国にものを言える国家になることが求められます。戦後63年を経た今日、過去の清算を少しずつ始め、国際社会から真に受け入れてもらえるように、国家の体を成した国づくりというものを、政治家が腹を括って進めていく時に来ているのではないでしょうか。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 国際平和・社会

ごあいさつ ~継続が習慣になり、人格をつくり人生(運命)も定まる~

2008年11月23日

 皆さま、こんにちは。右松たかひろです。

随分と寒さが身に沁みるようになってきました。街頭演説や地域訪問、自転車街宣などの日常の政治活動は、これからの季節が正念場になってきます。私は現在、平日2~3時間を越える街頭演説や自転車街宣による草の根運動を欠かさず行っています。今年の3月末からコツコツと積み重ね丸8ヶ月を迎えます。雨の日も風の強い日や台風の時期も休まずに継続していくことは、骨の折れることでもありますが、志を果たすために自らで決断し始めたことでありますので、これからも当たり前のこととして、この日常活動を継続していく決意でおります。 同時に、正しい日本を後世に引き継ぎ、ふるさと宮崎の発展に力を尽くしていきたいとの志を歩む環境に身を置けることへの感謝の念は、決して忘れてはならないと思っています。多くの方々のご協力があってこそ、はじめて志の道を歩めるものと自覚しております。

 人生を切り拓くには良い習慣を身に付けることが大切、と言います。「修身斉家治国平天下(しゅうしんせいかちこくへいてんか/身を修め、家をととのえ、国を治め、天下を平和に導く、の順序を説く)」という儒教の基本的な政治観・教えに対し、常に自問自答しながら、これからも政治活動に邁進してまいりたいと存じます。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 政治信条

米国発の国際金融危機~世界同時株安

2008年10月05日

 先月、米証券業界第4位のリーマン・ブラザーズが経営破たんしました。負債額64兆円は、日本の国家予算の、実に80%にあたります。更に、米最大手の保険会社であるAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)も経営危機が表面化をしましたが、破たんとなれば世界中の顧客、市場に多大な影響を及ぼすため、FRB(連邦準備制度理事会)が土壇場で最大9兆円もの緊急融資を行うことで最悪の事態は免れたものの、米政府が総株式の79.9%を取得し政府の管理下に置かれることとなりました。昨日は、そのAIGの日本法人がアリコジャパンなど生保3社を売却する意向を示したばかりです。そもそも、米国の金融危機は一昨年の2006年後半ぐらいから徐々に、米国の社会問題ともなってきていた「サブプライムローン」に端を発しています。アメリカ人全体の25%を占めるサブプライム層向けの、主に住宅ローンの権利(証券化)を売買し、それを世界中の銀行やファンド・投資家が取得していったわけですが、アメリカの景気後退に伴い住宅価格も下落し、延滞や差し押さえの増加によってローン会社や投資会社が多額の損失を出し、金融市場の重大な混乱に繋がっていきました。

 そんな中、9月29日に米下院議会が緊急経済安定化法案(金融安定化法案)を否決したことで、ニューヨーク株式市場は史上最大の株価下落を記録。その影響は、世界同時株安を起こすほど世界に波及しました。その後、上院、下院で金融安定化法案の修正案がようやく可決するに至りましたが、景気先行きが不透明なことで、株価の続落傾向に歯止めがかからない状況になっています。

 国際金融危機の深刻化に対して、我が国の実体経済や国民生活にダメージを与えない為にも、景気対策、経済対策を急ぎ、国民の消費減退に対しては減税などの税制対策、そして社会保障制度の信頼性を構築していくことが求められます。喫緊の課題にしっかり対処することで、日本経済および国民の生活を守ることが優先されるべきで、当面は政治空白を作っているときではないと考えます。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 経済・財政

汚染米転売~農水省と業者の責任

2008年09月16日

 三笠フーズなどの事故米(汚染米)転売事件は、官業の癒着も指摘されるなど底無しの様相を呈してきました。農薬やカビに汚染された米が食用として転売・流通されたことは、食の安全を著しく脅かし、消費者を裏切る重大事件として、徹底的な調査・真相究明とともに、汚染米をさばいた農水省と仕入れ・転売した業者に対する責任を追求しなければなりません。

 この汚染米の転売問題は、現代日本が抱える構造的そして根源的な問題を凝縮した事件であると言えます。従って、輸入米の受け入れから管理体制、農水省の検査体制から売却経路、そして業者間の転売手法から販路に至るまで、一連の流れを徹底的に精査・解明し、膿を出し切るとともに、再発防止に向けて不退転の決意で取り組まなければならないと考えます。

 まずは、輸入米の受け入れについてでありますが、本来は農薬やカビに汚染された輸入米は即時に、廃棄処分や返送(積み戻し)することが食品衛生法上は適切であるにもかかわらず、非食用(工業用)として受け入れ、この11年で1万677トンもの汚染米の国内流通を農水省が公認してきたという、第一の責任が問われます。WTOでミニマム・アクセス(年間輸入の最低限度量)の取り決めがあるとはいえ、余剰米や米価の下落を承知で汚染米までも受け入れる姿勢は、国益に適っているとはいい難いものです。第二の責任は、三笠フーズがこの4年間で、25都道府県の農政局や農政事務所から55回にわたり、入札によって汚染米を購入した際に、どこまで厳格に用途限定の指示を徹底していたのかという問題です。しかし、こともあろうか、農水省の職員が三笠フーズから接待を受けていたという、官業の癒着が指摘される有り様になってきています。政官業の癒着は、我が国の根源的な病巣として幾度となく国民から激しい批判が寄せられた問題です。事故米購入のお得意様相手に96回もの農水省の立ち入り検査で、一度も不正が見抜けなかったことも本当に適正な検査がなされていたのかという疑問すら受けてしまいます。第三の責任は、やはり商いにおけるモラルの問題です。心よりもモノやお金が優先される風潮の中で最低限のモラルさえも失われ、利益を上げるためには平気で他人の健康も奪う会社が出てきていることに、大きな憂いを抱かざるを得ません。しかも、流通先が、学校や病院、福祉施設の給食業者に及んでいるなど、あってはならない、まさに万死に値する商い行為ではなかろうかと思います。

 縷々述べましたように、農水省の責任も重大です。この問題は、国民が納得する対処と責任ある再発防止策を講じるまでは、うやむやにしたり看過出来るものではありません。 

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 経済・財政

地球温暖化について(1)~現状と要因

2008年09月11日

 地球温暖化の影響が深刻になって来ています。まずは、気温がこの100年で0.74℃上昇しており、かつ最近の50年は過去100年の上昇速度の2倍になっていることから、まさに異常なスピードで温暖化が進んでいることが分かります。海面水位も、この100年で17cmも上昇しており、気温と同様に最近の10数年でより加速度的に海面上昇しています。そして、積雪や氷河も広範囲で減少しており、グリーンランドと南極の氷床の減少が海面上昇に寄与した可能性が高いと指摘をされています。

 この地球温暖化が、世界の自然環境や生態系に異変を与え、異常気象の頻発が人間社会にも多大な影響を与え始めていることは既に明らかな状況となっております。生態系では、昼夜の温度差の縮小によって熱帯地域に生息するカエルなどの両生類が絶滅したことや、渡り鳥の繁殖期における餌の減少によって個体数が大幅に減少したことなどが報告されています。人間社会においては、強い台風、集中豪雨やハリケーン、干ばつ、熱波などが頻繁に発生し、甚大な被害を被っていることは、私たちも実感をするところです。降水量の年変動が強まり、農作物の品質低下や生産性の減少など、食への影響も不可避になって来ています。また温暖化が原因で、アメリカ西部を中心に森林火災が30年前と比べて4~6倍以上に増加しているとの報告も上がってきています。

 地球は、二酸化炭素や水蒸気などの「温室効果ガス」によって、大気が暖められています。仮に、温室効果ガスが存在しなければ、地球の気温は-19℃になるといわれています。このように、人類や生物が生きるためには不可欠な温室効果ガスですが、産業革命以降、石油や石炭など化石燃料を大量消費してきたことで、大気中への二酸化炭素の排出が急増し、温暖効果も強まり、地表の温度が上昇してきたわけです。従って、近年の急激な地球温暖化は、人間の生活活動によってもたらされたものと言えます。温暖化は今後100年の間に、少なくとも過去100年の倍の早さの1.8℃から五倍もの速さの4.0℃まで上昇すると予測されています。そうなれば、地球規模で甚大な悪影響を及ぼすことは必至で、それは人類の危機を意味します。温暖化対策は、現代に生きる私たちに課せられた重大な使命であることを認識し、エネルギー転換も含め有効な対策をしっかり講じていくことが、今強く求められています。
 次回は、温暖化対策について考えていきたいと思います。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 環境・エネルギー

高杉晋作の見識と胆力

2008年09月08日

 「今から、長州(日本)男児の肝っ玉をお目にかけます。」

 元治元年、回天義挙の地「功山寺」にて、晋作が決起挙兵した際に、三条実美に申し上げた言葉です。私の大好きな言葉でもあります。第一次長州征伐の勅許で揺れる藩内で、幕府への恭順保守派による武備急進派に対する粛清を強めていく中で、福岡に潜居していた晋作はついに軍事クーデターを敢行します。俗論保守派の武士団2,000名に対し僅か80余名での決起は暴発に近いものでありましたが、その後は一気に下関を制圧し、藩海軍も傘下に収めるという、まさに電光石火の離れ業を演じました。この晋作の決死の行動によって、長州藩は倒幕で藩論統一がなされ、薩長同盟を経て、明治維新が果たされることとなりました。

 激動期においては、常識では測れない狂気にも似た、突破力のある人材が必要とされるのだと思います。晋作は見事、時代の要請に応えたと言えます。晋作は松下村塾の時代から、「識見気魄他人及ぶなく、人の駕馭(がぎょ/言いなりや思うように、使役すること)を受けざる高等の人物なり」と評されていました。見識や胆力があったからこそ時宜を逸せずに、直感的な状況判断で乾坤一擲の力を奮い、目的を達成せしめたのだと思います。人生で大切なものは、知識よりも、「見識と胆力」と言います。知識を振りかざすだけでは、何も変わりません。物事を深く見通し、本質をとらえることの出来る「見識」に、勇気ある実行力、障害を乗り越えられる「胆力」が備わってこそ、ひとかどの人物になれるのだと思います。

 今、日本の政治は大きな混迷期、そして転換期に入っています。今の政治に必要な人材は、利己欲の強い口八丁の政治家ではなく、知識を行動に示さない知行不一致の政治家でもなく、ましてや現場の声や庶民の生活を知らず、間違った施策や判断を下す不見識な政治家でもありません。国民の痛みが分かり、国民と同じ目線に立って、国民の生活を守るためには、自ら命を削り公に身を捧げることの出来る政治家こそが必要なのではないでしょうか。 身分にとらわれない「奇兵隊」を創設し、時宜を逸せず果敢に断行し、天から与えられた使命をしっかり果たし得た高杉晋作。平成の高杉晋作が、今この時に、出て来なければならないのでは、と感じています。

     

右松たかひろ

2008(平成20)年度, リーダー学

首相公選制の危うさ

2008年09月06日

 中曽根元首相が40年前に提唱し、小泉元総理が2001年に「首相公選を考える懇談会」を設置したことで一躍国民的論議を巻き起こした首相公選制ですが、一時のブームも過ぎ去り、最近では影が薄く、議論される機会もめっきり減ってきた感があります。  しかし、政治課題としてまたいつ俎上に載るか分かりませんので、あえてこの問題に触れさせて頂きますが、私はこの首相公選制の導入には反対の立場に立っています。今から8年程前に民間人を中心に「首相公選の会」というものが発足し、私も趣旨・目的を聞きに会場に足を運んだこともありましたが、私は当初からこの首相公選制の導入には疑問を感じており、最初に受けた直感的なものから、その後精査していく中で、やはりこの制度は、我が国の政治土壌や日本の政治を取り巻く、現在の環境や権力構造から鑑みて、将来に禍根を残す可能性が非常に高いと確信を持つに至っております。以下にその理由を述べさせて頂きます。

 まず一つは、制度の並立が国家運営に多大な困難を生む恐れがあるということです。私は、創憲論者ですので、67条で規定する議院内閣制の改正は、それほど問題視をしておりません。 むしろ、国民が選ぶ全国会議員と、同じく国民の直接選挙で選ばれた内閣総理大臣が発議や議決の乖離によって不安定な議会運営を余儀なくされ、逆に、首相の指導力を弱めてしまう結果になりはしないかという、権力の二重構造、制度並立の難しさを懸念しています。たとえ政党人たる国会議員から選出するにしても、直接選挙によれば必ずしも国会の多数政党から首相が誕生するとは限りませんし、国会議員以外から首相が任命されることになれば、尚のこと、制度上よほど強い権限を首相に持たせなければ議会運営は至難を極めるものと予測されます。

 二つめに、国家元首における整合性、つまり天皇陛下と公選首相(大統領に近い)との関係を明確に図れるかという問題です。 我が国は歴史を顧みても国際社会からの評価を鑑みても、国家元首は天皇陛下であって、それを未来へ堅持していくことが、為政者として自国の歴史に責任を持つことではなかろうかと思っています。

 最後に、現代の日本の政治を取り巻く環境や構造から察すれば、やはり人気投票に陥る可能性が否めないことや、マスメディアを始めとした世論を形成する過程にまつわる一抹の不安を感じざるを得ないのが正直なところです。首相公選は、一過性のブームの中で議論されるものではなく、そのメリット・デメリットをしっかり煮詰め成熟した議論が求められてしかるべきと存じます。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 政治改革

介護保険制度の問題(1)~介護予防サービス

2008年08月30日

 我が国は世界に類を見ないほどのスピードで超高齢社会に突き進んでいます。65歳以上の高齢者人口が20%を超えており、15年後には30%に達すると予測される中で、社会保障の各種制度が財政上破綻を来たし維持できなくなり、窓口負担率の引き上げや新たな負担増に繋がる制度を設けていることが、国民の社会保障制度の将来に対する危機感や不信感を増大させていると言わざるを得ません。介護保険制度も従来の老人福祉法、老人保健法では所管できなくなり、別財源に独立移行となり、平成12(2000)年4月から40歳以上の国民に負担を新たに課すことになった制度です。施行から8年が経過した今、サービス利用者や事業所など現場の声に沿って、現状の諸問題および制度の方向性も含めてしっかりと検証していく必要があります。

 制度発足から5年ごとに見直すことを定めていたことで、平成18(2006)年4月に介護保険が改正されました。実は、この改正介護保険で様々な問題・課題が露呈してきています。今回はその中で、介護予防、自立支援に重きを置いた内容改定が果たして有効機能しているのかどうか、財政軽減が先行するあまり利用者の不満を助長し、介護予防や自立支援などの目的からはむしろ逆行した実態を生み出してはないか、という問題を採り上げたいと思います。

 厚労省の策定した制度改正によって、主に要支援1,2は、地域包括支援センターの保健師が予防ケアプランを作成することになりましたが、規定変更で利用者の年齢や希望にそぐわないサービス内容になっている事例(例えば、高年齢で筋トレなどの機能訓練など)が出てきていることがまず一点。そして二つめに、同居家族がいれば要支援者は訪問介護を受けれなくなってしまうことで、家族の負担が制度の発足前の状態にまた戻ってしまっている点が挙げられます。さらに、予防給付になり単位数の関係から、デイサービスの入浴ケアが受けれなくなった例や利用回数が減らされた例も出ています。このように、厚労省が策定したサービスの一律カットによって、利用者の利便性や心身機能をも損ないかねない問題が生じてきています。要介護者への訪問介護についても、個別の事情に関わらず介護報酬が以前の1時間30分に相当する額で打ち切りになったり、自立支援の名目で家事や行動を分担していくというサービス内容の変更で利用者や家族の負担が必要以上に増している問題も無視できなくなっています。

 政府および厚労省は、要支援や要介護の利用者とその家族の実情に沿ったサービス内容を揃えていくことと、ケアマネージャーの養成に力を入れていくと共に、指導や規制権限で全てを縛るのではなく、個別の勘案はケアマネージャーに委ねていくような柔軟性や臨機性を現場に持たせていくことも考えていかなければならないと思います。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 社会保障

漁業を取り巻く問題(1)~緊急支援策~

2008年08月23日

 7月15日に全国の漁業団体、約20万の漁業者が、現在の窮状を訴えるために一斉に休漁するという、かつて無い団結行動を起こしました。それほど漁業を営む人たちが瀬戸際に追い込まれている証左であります。燃油高騰は漁業者の自助努力の限界をとうに超えており、漁に出れば赤字になってしまうという、まさに漁業者・漁村の死活問題になっています。四方を海に囲まれ、森林が国土の7割を占めることで豊富な水資源を持つことにより、我が国は古来より米と魚の食文化圏を形成し、国民生活を守ってきました。同時に、漁村の営みを維持し、海の環境を保つという公益的機能も担ってきたといえます。漁業を営む人たちの環境保護に対する意識も高く、兵庫県などでは「豊かな海は、豊かな森があってこそ」のスローガンの下での植樹活動が共感を呼び、「漁業者の森」がいくつも出来ています。今こそ、日本漁業の意義と重要な役割を再認識し、短期的救済措置と長期的再生を図っていかなければなりません。

 厳しい現状を受けて政府・水産庁は、4分野総額745億円の緊急対策措置を発表しました。燃料費補填が80億円、無利子融資枠で200億円、休漁や減船の支援に65億円、水産物の買い取り額を400億円に拡大するという内容になっています。ただ、支援は詳細な条件も付いており低条件ではありません。例えば、燃料費補填では5人以上の漁業者グループが操業の合理化や省エネ機器を導入し燃料使用量を10%以上削減する場合に補填するとなっており、無利子の融資制度も、省エネ仕様の最新型エンジンを導入する際の融資枠になっています。魚の資源回復や燃料高騰を理由にした減船支援も、果たして方向性として正しいのかどうか、減船に伴う離職者のうち6割以上が再就職できない問題も生じています。ただ単に金額を発表し対策を形の上でも講じましたという姿勢ではなく、やはりそこは漁業者や漁村の実情に沿った対策を講じていかなければ生きた対策とは言えず、更に窮地に追い込んでしまいかねません。

 漁獲量の下落傾向や水産物の輸入増加、魚価の低迷、コスト増などの本質的な漁業問題を踏まえて、いかに有効な対策を講じ日本漁業を再生させていくかが、今問われています。過去の補助金行政はバランス感覚が欠落し、業界の体質強化、競争力の向上につながらなかったという過ちを繰り返してはならないと思います。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 経済・財政

日本の林業について(1)~放置林対策~

2008年08月18日

 様々な分野で国策の誤りと政策転換を求めていかなければならない中で、我が国の林業においても、過去の林野行政の誤りを指摘しなければなりません。冒頭に、国策の誤りを端的に申し上げると、朝鮮戦争特需もあって昭和30年代から高度経済成長に伴う木材需要の伸びと価格の高騰を謳い文句に、照葉樹を中心とした天然林を伐採した跡地や原野にスギやヒノキなど針葉樹を大量に植樹する「拡大造林政策」を行政は強力に推し進めてきました。その一方で、昭和35年に丸太材の輸入自由化、37年には木材製品の輸入自由化によって、輸入木材が一気に入ってきました。これによって、国内の木材価格は下落一方となり、国策として進めてきた補助金植林が林家に潤いをもたらすという構想は絵空事に終わり、林業がなりわいとして成り立たなくなりました。結果、施策によって広げられた人工林が、間伐や伐採などの手入れのされないまま放置されることとなり、防災・保水力(水資源)などの公益機能の低下や輸入木材の席巻という日本の林業に重大な事態を引き起こすこととなりました。これは明らかに、過去の林野行政の失敗が、久しく言われる林業不振に結びついたと言わざるを得ません。

 今後は、この放置林対策をいかにして図っていくか、国内木材の需要(木材自給率)をいかにして高めていくか、そして持続可能な木材生産体系をいかにして構築していくかが重要な政治課題になってきます。この中で、放置林対策についてでありますが、現状を考えると、木材価格の低迷と国内生産流通のコスト高、森林所有者の高年齢化や不在村化、伐採や搬出など作業経費の増大により造林が放置され山が荒れる、優良木が育たずに買いたたかれると、悪循環に陥っています。このような状況下では、やはり国が積極的に間伐促進を進め、「山の再生」に介入をしていくほかないと考えます。そのためには、国内森林面積の31%しかない国有林を増やすために私有林および公有林を買い上げるか、もしくは森林の公益的機能の回復と緊急性を鑑み、私有林・公有林にまで一歩踏み込んだ間伐促進策を講じていかなければならないと存じます。国策の誤りは、行政自らが政策転換することで是正し責任を果たすほかありません。

 森を守ることがいかに国益に通ずることか、国土の7割を占める森林が水を生み食料生産をいかに助けてくれることか、災害への危機管理でいかに森林が重要な役割を果たしていることか、まっとうな政治家ならば森林保護への行動を起こさずにはいられないものと思います。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 経済・財政

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