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みぎまつコラム

国政全般

北朝鮮による拉致被害者の救出について

2012年05月10日

  北朝鮮による拉致被害者の一人、田口八重子さんの兄で「家族会」の代表でもある、飯塚繁雄さんが次のように述べられました。「こういう集会や活動を何回続けたら終わるのかということをいつも考えます。何回も使った言葉ですが、本当に今年こそ解決しなければ、また相当長い時間かかるとか、あるいは消えてしまうかもしれません。」これは極めて重い言葉で、政治の責任を痛感せざるを得ません。拉致問題は、国家主権の問題です。自国の国民さえも守れない国が、果たして真の主権国家と言えるのでしょうか。 戦後から現在までの外交姿勢、防衛・国家安全保障の取り組み方、大いに反省しなければならないと考えます。拉致被害者の救済に向けての行動やアプローチが変わってこそ、初めて反省をしたと言えるものです。

 平成14年9月の小泉元首相による日朝首脳会談で、キム・ジョンイルが初めて拉致を認め、翌10月に5名の拉致被害者が帰国を果たしてから、まもなく10年が経ようとしています。この間、北朝鮮は「拉致問題はもはや存在しない」と開き直り、我が国はなすすべもなく、拉致被害者救済の進展は皆無といっていい状況です。常に被害者の安否を気遣う家族の方々からすれば、途方もなく長い10年であり、国としてもこの10年間無策であったことは、国家の体をなしておらず恥ずべきことと言わざるを得ません。

 昨年末、拉致を指示したキム・ジョンイルが死亡しました。「これを機に拉致被害者救出の好機にすべき」との声が非常に高まってきています。三男のキム・ジョンウンによる新しい体制は、報道で見る限り、決して安定しているとは言い難いものです。

 現在、政府で拉致被害者と認定しているのは17名になっています。その内、昭和55年に本県の青島海岸から拉致された、原ただあきさん(大阪府在住)も含まれています。さらに、特定失踪者で拉致の可能性が高いとされる、いわゆる1000番台リストには、昨年11月現在で73名にのぼっています。その中で、宮崎の人が、3名(和田さん、林田さん、水居さん)含まれています。1000番台リストの中には、1995年に拉致の疑いが高いとされる人もおり、まさについ最近まで拉致されていたことになります。拉致事件は、人道的にも、国際法的にも、そして主権国家としても断じて許すことのできないものです。

 やはり、北朝鮮に対し強い姿勢でのぞむほかありません。「すべての日本人が救出されるまで、国交正常化はあり得るはずもなく、さらに経済支援も当然すべきではなく、制裁を課し続ける」との強い意志を示すことが肝要で、自らも地方議員の一人(宮崎県議会北朝鮮拉致問題解決促進議連)として声を上げてまいります。

 【なお、この拉致問題について、6月に「自民党青年局で全国一斉街頭行動」を行います。】

宮崎県議会議員 右松たかひろ

2012(平成24)年度, 外交・防衛・領土

子ども・子育て新システムの問題点

2012年04月30日

 4月28日の午前中に、宮崎県保育連盟の青年部と私たち自民党宮崎県連の青年局および厚生部会のメンバーとで、「保育制度について」意見交換会を開催しました。

 宮崎県保育連盟の方々も大変な危機感を感じておられましたが、私も、今、政府が進めようとしている、いわゆる「子ども・子育て新システム」は、非常に大きな問題をはらんでいると認識しています。この新システムが、その趣旨である「子ども達に良質な成育環境を保障する」ことに、はたしてつながるものなのか、はなはだ疑問であり、むしろ、保育の質を低下させてしまう懸念の方が強いと言わざるを得ないと感じています。

問題点として、

 1.市町村の義務から、保護者と園の民民関係になる。

 このことは、弘中講師も力説されてましたが、児童福祉法24条(市町村に保育の実施義務があること)が取り払われることとなり、児童福祉の在り方そのものが大きく変質するという問題が出てくる。企業(株式会社)の更なる参入をうながすもので、人間形成で極めて大事な幼少時の児童福祉の教育分野が産業化することも考えられ、当然、営利が伴えば良質な成育環境が保障されるとは限らない。(認可制から参入も撤退も自由な指定制)

 2.子どものことを考えた「子育て、子育つ」の議論が、制度設計の過程でまったくされていない。

 まずは親が自らの子どもを教育する、第一義的責任があって、そして保育施設や社会がサポートするという、我が国の子ども教育の原点が失われようとしている。

 3.学童保育の格差

 市町村の格差、園の格差が広がり、保育のオプション化も進むことは、家庭の経済格差が学童保育に持ち込まれることとなり、 結果的に親の経済的・精神的負担が大きくなり、子どもにも無理を強いることにつながりかねない。(オプションや認定された保育の時間を超えれば、すべて自己負担の制度設計)

 上記以外にも、保育時間の認定が非常に難しくなる問題点や家庭の世帯内容や資産・収入を官公署や金融機関に情報を求めることが出来るというプライバシーにかかわる問題点など、多くの問題をはらんでいます。

 教育の本質的な意義、そして、子どものこと、ならびに教育現場に、しっかりと軸足をおいた議論が必要です。

宮崎県議会議員 右松たかひろ

2012(平成24)年度, 社会保障

4月28日は主権を回復して60年を迎えます。

2012年04月27日

 明日4月28日は、先の大戦において我が国が敗戦し、米軍を中心とする連合国の占領下におかれた中で、昭和26年秋にサンフランシスコ講和条約が調印され、翌27年4月28日に発効されることで、独立、いわゆる主権が回復した日になります。主権を回復して明日で60年という節目を機に、主権回復の意義と主権国家としての在り方をしっかりと考えていく良い機会だと考えています。

 サンフランシスコ講和条約が発効し、主権は回復したとはいえ、占領下で制定された日本国憲法の成り立ちの問題点、(このことは、本コラムでも私の考えをくわしく述べています。昭和21年11月3日公布、22年5月3日施行の過程は、以下を参照ください。

→「自主憲法」 https://www.migimatsu.jp/column/category/column/categories/constitution/ )や、

軍事的主権はいまだ回復しているとは言い難いことなど、主権国家の在り方について、極めて重大で多くの課題は残されたままと言わざるを得ない状況下にあります。

 そういった中で、真の主権を回復するために現行憲法をどう取り扱うのか、私の考えは、所属する自民党の党是にもなっている「自主憲法の制定」に結び付けていかなければならないとするものです。そのためには、憲法96条の衆参両院の発議要件や国民投票など、一つひとつハードルを越えていかなければなりません。

 また、国防においても自民党の「日本国憲法改正草案」のとおり、自衛隊を「国防軍」として位置付け、人員・装備・予算をしっかり確保して、防衛力を整備していくなど、万全な安全保障体制を構築し、「普通の国家としての姿」を取り戻していかなければならないと考えます。

 さらには、周辺国との領土問題も、今まで国が及び腰で真剣に向き合わなかったツケが噴出してきています。尖閣諸島の問題も、国のあまりにも無責任な対策に危機意識を感じた石原都知事が島の取得に乗り出すなど、大きな動きが出てきました。また、韓国による竹島の実効支配の問題や北方領土をロシアが不法占拠している問題など、喫緊の政治課題であります。 民主党に政権が変わり、中露韓の挑発はエスカレートの一途をたどっています。  領土問題を正しく認識し、毅然たる外交姿勢を取ることが、真の主権国家の姿です。

 主権回復60年は、「普通の国家」へと転換を図っていく、極めて重大な時期であるとし、上記の「憲法」「防衛」「領土」の各問題に信念と覚悟をもって取り組まなければなりません。

宮崎県議会議員 右松たかひろ

2012(平成24)年度, 外交・防衛・領土

日本郵政 ~かんぽの宿譲渡問題~

2009年06月16日

  日本郵政株式会社(株主は日本政府なので国有企業)の西川社長の経営責任を問うていた鳩山総務相が、逆に大臣を更迭されたことは、政官業(財界)の癒着が端的に現れたもので、政治が国民を見ずして、一部の業界団体・財界・既得権者のために存在をしていることを露呈した事例と言えます。その後の世論調査でも、西川さんの経営責任を追及する声が圧倒的に多いことが示されていますが、この問題は氷山の一角であり、政官業(財界)の癒着によって、どれほどの国益が損なわれ、どれほどの国民生活が犠牲にさらされてきたかを国民の皆様につまびらかにしていくことが、これから政治を改め新しくしていく際に避けて通れない道だと考えております。西川氏続投の裏側で財界の動きがあったと、一部で指摘されております。そこには郵政民営化を推し進めてきた政官の存在もあり、まさに政官業(財界)の癒着こそが、この問題の本質的部分と言えます。

  日本郵政がオリックス不動産に、土地代および建設費あわせて2400億円、資産価値としても市場価格1000億円は下らないとされる全国70施設の「かんぽの宿」を、なんと10分の一以下の109億円で一括売却の契約を結んだことは、自社、すなわち株主である国民への背信行為と受け止められても致し方ないことで、鳩山元総務相が西川社長の経営責任を問うたことは至極当然のことと言えます。

  障害者団体向けの郵便不正事件も、政治家の働きかけ(議員案件)であったことが明るみに出つつありますが、政官業(財界)の癒着は底なし沼の様相を呈しています。

右松たかひろ

2009(平成21)年度, 経済・財政

学習成績と人間道徳のバランス確立へ

2009年01月22日

  我が国の人材育成(人づくり教育)は、今、転換期にあると考えます。60年に及ぶ戦後教育を総点検し、継続するところは継続し、見直すところは恐れず大胆に見直すことで、かつて世界に通用する人物を多数輩出してきた「教育立国・日本」としての誇りや地位を、これから数十年かけて、取り戻していかなければならないと考えます。

  政治の視点で、国家に資する人材育成の昨今を考えると、エリート教育と人材登用の限界を認識せざるを得ないと思います。青少年期の学習成績(偏差値)でもってのみ評価され、あとはエスカレーター方式で将来を約束された人たちが、国策の決定に強い影響力を与えてきました。戦後教育の転換を図らなければならない理由は、エリートと言われる彼らのつくる政策が、国民の意識や現場の実態から乖離し始め、国益や国民生活を大きく損なう事態を引き起こしているからに他なりません。人間や世間を知らない人たちが、政策をつくっているところに、今の我が国の悲劇がある、という言葉もあながち的外れとは言えないわけです。

  これからの教育を考えていく中で、学習・学問以外の大切なものを、いかに教えていくかが極めて重要になってくると認識しております。その大切なものが、倫理観であったり、正義感や人格・人品であったり、公に尽くす意義や、そのために自己犠牲を払うことのできる、真のエリートとしての資質であったりすると考えます。つまり、戦後教育で一番欠けていた部分に当たります。努力の結果としての学習成績はもちろん尊重しなければなりませんが、それだけでは社会に資する人材にはなれないわけで、そこに人間としての道徳観や、日本人としての心の陶冶を加味した教育を確立していかなければならないと認識する次第です。国が、自信や誇りを取り戻していくには、教育こそが、その要(かなめ)になることを、今、改めて問わなければなりません。

右松たかひろ

2009(平成21)年度, 教育再生

新エネルギーについて ~バイオマスと小水力~

2009年01月06日

  21世紀が、石油文明社会からの脱却と新エネルギーへ転換を図る世紀であることは、衆目の一致するところであります。地球温暖化を始めとする環境破壊に歯止めを掛けなければ人類の生存をも危ぶまれることは必至で、石油依存や大量生産、大量消費の社会構造・パラダイムをシフトしていくことが、現代国際政治の果たすべき使命と言えます。我が国は、脱石油社会を見据え、高度な技術力と海洋及び水が豊富な地理的利点を生かし、新エネルギーと環境問題における、世界のリーディング・カントリーとしての地位を確立しなければなりません。

  新エネルギーの中でも、今回はとりわけ、バイオマスとマイクロ水力(小水力)エネルギーに焦点を当てていきます。まずはバイオマスエネルギーですが、家畜糞尿など畜産、食品・生ゴミなどの廃棄物系バイオマス資源や間伐材・木くず・ワラなどの未利用バイオマス資源を利活用して循環型社会を目指す取り組みとしては6年前から国策としても進めています。「バイオマスタウン構想」として平成22年に300地域程度を目標に、バイオマス利活用に取り組む市町村を募集しており、現在159地域(平成20年11月末)が公表されています(地元の宮崎県内では、3地域~小林、門川、都農)。今後は、各自治体においても、より本構想に積極的に取り組んでいくことが、地域資源の循環利用による地域発の温暖化対策としても、新たな産業形成による地域活性化という面においても大切になってくるものと考えます。私の地元・宮崎県は、全国でも有数の農業・畜産王国で、森林も県土面積の7割を占めていることからも、新エネルギーの開発・地域資源の利活用は、注力しなければならない分野であります。

  次に小水力エネルギーについてですが、中小の河川や上下水道、農業用水路などの高低差を利用した発電であり、ダム建設などによる環境破壊にもつながらず、自家消費型、地域分散小電力、或いは中山間地域での発電としても、そしてもちろん再生可能なクリーンエネルギーとしても注目されます。今後は設置等の法的整備や機材コストやランニングコストの削減も進め、利用拡大を促す分野にしていかなければなりません。我が国は40万kmにも及ぶ農業用水路が整う「瑞穂の国」であり、森林からの水資源が豊富な利点があることからも、マイクロ水力(小水力)はそれを十分に生かした代替エネルギーと言えます。

右松たかひろ

2009(平成21)年度, 環境・エネルギー

オバマ政権後の日米関係について

2008年12月16日

 先般のアメリカ大統領選挙でバラク・オバマ氏が当選し、来年1月20日、46歳という若さ、米国史上初めての黒人の大統領が誕生します。アメリカの歴史に新しい1ページが開かれるわけですが、それに伴い、日米の関係も大なり小なり変わってくることが予測されます。しかしその一方で、我が国にとっては大きく国益を損なうことになった北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除や米大統領選挙中での外交話題で日本に触れる機会が殆んどなかったことに象徴されるように、そもそも米国にとって対日関係の重要性が以前と比べ大きく低下しつつある中で、中国やインドをアジアおける戦略的パートナーへ位置づけるなど変遷してきており、加えて国際社会での我が国の発言力の低下という現実を見据えれば、共和党政権でも民主党政権でも日米関係の置かれている状況打開の厳しさには差異がないという指摘もあります。過去の日米関係を紐解く中で、クリントン政権時代の日本パッシングが思い返され、民主党政権樹立は我が国にとって試練を増すという論調は、オバマ次期大統領の外交スタッフに知日派・日本通が多く人選されていることから、必ずしも的を得たものではないと言えます。いずれにしても、日米関係の構築はこれから更に難しい局面に入ってくることになります。

 日本の政治家や外務省がこの局面をどう乗り越えていけるかが問われてくるわけですが、私は、アメリカの対アジア戦略や政権が変わることは、むしろ我が国にとって、日米関係を新たなステージに移していく好機になるものと受け止めることが必要だと考えております。国際社会も認める日米関係を日本は築いていかなければなりません。そのためには、我が国は、自立した普通の国家、同盟国にものを言える国家になることが求められます。戦後63年を経た今日、過去の清算を少しずつ始め、国際社会から真に受け入れてもらえるように、国家の体を成した国づくりというものを、政治家が腹を括って進めていく時に来ているのではないでしょうか。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 国際平和・社会

米国発の国際金融危機~世界同時株安

2008年10月05日

 先月、米証券業界第4位のリーマン・ブラザーズが経営破たんしました。負債額64兆円は、日本の国家予算の、実に80%にあたります。更に、米最大手の保険会社であるAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)も経営危機が表面化をしましたが、破たんとなれば世界中の顧客、市場に多大な影響を及ぼすため、FRB(連邦準備制度理事会)が土壇場で最大9兆円もの緊急融資を行うことで最悪の事態は免れたものの、米政府が総株式の79.9%を取得し政府の管理下に置かれることとなりました。昨日は、そのAIGの日本法人がアリコジャパンなど生保3社を売却する意向を示したばかりです。そもそも、米国の金融危機は一昨年の2006年後半ぐらいから徐々に、米国の社会問題ともなってきていた「サブプライムローン」に端を発しています。アメリカ人全体の25%を占めるサブプライム層向けの、主に住宅ローンの権利(証券化)を売買し、それを世界中の銀行やファンド・投資家が取得していったわけですが、アメリカの景気後退に伴い住宅価格も下落し、延滞や差し押さえの増加によってローン会社や投資会社が多額の損失を出し、金融市場の重大な混乱に繋がっていきました。

 そんな中、9月29日に米下院議会が緊急経済安定化法案(金融安定化法案)を否決したことで、ニューヨーク株式市場は史上最大の株価下落を記録。その影響は、世界同時株安を起こすほど世界に波及しました。その後、上院、下院で金融安定化法案の修正案がようやく可決するに至りましたが、景気先行きが不透明なことで、株価の続落傾向に歯止めがかからない状況になっています。

 国際金融危機の深刻化に対して、我が国の実体経済や国民生活にダメージを与えない為にも、景気対策、経済対策を急ぎ、国民の消費減退に対しては減税などの税制対策、そして社会保障制度の信頼性を構築していくことが求められます。喫緊の課題にしっかり対処することで、日本経済および国民の生活を守ることが優先されるべきで、当面は政治空白を作っているときではないと考えます。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 経済・財政

汚染米転売~農水省と業者の責任

2008年09月16日

 三笠フーズなどの事故米(汚染米)転売事件は、官業の癒着も指摘されるなど底無しの様相を呈してきました。農薬やカビに汚染された米が食用として転売・流通されたことは、食の安全を著しく脅かし、消費者を裏切る重大事件として、徹底的な調査・真相究明とともに、汚染米をさばいた農水省と仕入れ・転売した業者に対する責任を追求しなければなりません。

 この汚染米の転売問題は、現代日本が抱える構造的そして根源的な問題を凝縮した事件であると言えます。従って、輸入米の受け入れから管理体制、農水省の検査体制から売却経路、そして業者間の転売手法から販路に至るまで、一連の流れを徹底的に精査・解明し、膿を出し切るとともに、再発防止に向けて不退転の決意で取り組まなければならないと考えます。

 まずは、輸入米の受け入れについてでありますが、本来は農薬やカビに汚染された輸入米は即時に、廃棄処分や返送(積み戻し)することが食品衛生法上は適切であるにもかかわらず、非食用(工業用)として受け入れ、この11年で1万677トンもの汚染米の国内流通を農水省が公認してきたという、第一の責任が問われます。WTOでミニマム・アクセス(年間輸入の最低限度量)の取り決めがあるとはいえ、余剰米や米価の下落を承知で汚染米までも受け入れる姿勢は、国益に適っているとはいい難いものです。第二の責任は、三笠フーズがこの4年間で、25都道府県の農政局や農政事務所から55回にわたり、入札によって汚染米を購入した際に、どこまで厳格に用途限定の指示を徹底していたのかという問題です。しかし、こともあろうか、農水省の職員が三笠フーズから接待を受けていたという、官業の癒着が指摘される有り様になってきています。政官業の癒着は、我が国の根源的な病巣として幾度となく国民から激しい批判が寄せられた問題です。事故米購入のお得意様相手に96回もの農水省の立ち入り検査で、一度も不正が見抜けなかったことも本当に適正な検査がなされていたのかという疑問すら受けてしまいます。第三の責任は、やはり商いにおけるモラルの問題です。心よりもモノやお金が優先される風潮の中で最低限のモラルさえも失われ、利益を上げるためには平気で他人の健康も奪う会社が出てきていることに、大きな憂いを抱かざるを得ません。しかも、流通先が、学校や病院、福祉施設の給食業者に及んでいるなど、あってはならない、まさに万死に値する商い行為ではなかろうかと思います。

 縷々述べましたように、農水省の責任も重大です。この問題は、国民が納得する対処と責任ある再発防止策を講じるまでは、うやむやにしたり看過出来るものではありません。 

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 経済・財政

地球温暖化について(1)~現状と要因

2008年09月11日

 地球温暖化の影響が深刻になって来ています。まずは、気温がこの100年で0.74℃上昇しており、かつ最近の50年は過去100年の上昇速度の2倍になっていることから、まさに異常なスピードで温暖化が進んでいることが分かります。海面水位も、この100年で17cmも上昇しており、気温と同様に最近の10数年でより加速度的に海面上昇しています。そして、積雪や氷河も広範囲で減少しており、グリーンランドと南極の氷床の減少が海面上昇に寄与した可能性が高いと指摘をされています。

 この地球温暖化が、世界の自然環境や生態系に異変を与え、異常気象の頻発が人間社会にも多大な影響を与え始めていることは既に明らかな状況となっております。生態系では、昼夜の温度差の縮小によって熱帯地域に生息するカエルなどの両生類が絶滅したことや、渡り鳥の繁殖期における餌の減少によって個体数が大幅に減少したことなどが報告されています。人間社会においては、強い台風、集中豪雨やハリケーン、干ばつ、熱波などが頻繁に発生し、甚大な被害を被っていることは、私たちも実感をするところです。降水量の年変動が強まり、農作物の品質低下や生産性の減少など、食への影響も不可避になって来ています。また温暖化が原因で、アメリカ西部を中心に森林火災が30年前と比べて4~6倍以上に増加しているとの報告も上がってきています。

 地球は、二酸化炭素や水蒸気などの「温室効果ガス」によって、大気が暖められています。仮に、温室効果ガスが存在しなければ、地球の気温は-19℃になるといわれています。このように、人類や生物が生きるためには不可欠な温室効果ガスですが、産業革命以降、石油や石炭など化石燃料を大量消費してきたことで、大気中への二酸化炭素の排出が急増し、温暖効果も強まり、地表の温度が上昇してきたわけです。従って、近年の急激な地球温暖化は、人間の生活活動によってもたらされたものと言えます。温暖化は今後100年の間に、少なくとも過去100年の倍の早さの1.8℃から五倍もの速さの4.0℃まで上昇すると予測されています。そうなれば、地球規模で甚大な悪影響を及ぼすことは必至で、それは人類の危機を意味します。温暖化対策は、現代に生きる私たちに課せられた重大な使命であることを認識し、エネルギー転換も含め有効な対策をしっかり講じていくことが、今強く求められています。
 次回は、温暖化対策について考えていきたいと思います。

右松たかひろ

2008(平成20)年度, 環境・エネルギー

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