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みぎまつコラム

首相公選制の危うさ

2008年09月06日

 中曽根元首相が40年前に提唱し、小泉元総理が2001年に「首相公選を考える懇談会」を設置したことで一躍国民的論議を巻き起こした首相公選制ですが、一時のブームも過ぎ去り、最近では影が薄く、議論される機会もめっきり減ってきた感があります。  しかし、政治課題としてまたいつ俎上に載るか分かりませんので、あえてこの問題に触れさせて頂きますが、私はこの首相公選制の導入には反対の立場に立っています。今から8年程前に民間人を中心に「首相公選の会」というものが発足し、私も趣旨・目的を聞きに会場に足を運んだこともありましたが、私は当初からこの首相公選制の導入には疑問を感じており、最初に受けた直感的なものから、その後精査していく中で、やはりこの制度は、我が国の政治土壌や日本の政治を取り巻く、現在の環境や権力構造から鑑みて、将来に禍根を残す可能性が非常に高いと確信を持つに至っております。以下にその理由を述べさせて頂きます。

 まず一つは、制度の並立が国家運営に多大な困難を生む恐れがあるということです。私は、創憲論者ですので、67条で規定する議院内閣制の改正は、それほど問題視をしておりません。 むしろ、国民が選ぶ全国会議員と、同じく国民の直接選挙で選ばれた内閣総理大臣が発議や議決の乖離によって不安定な議会運営を余儀なくされ、逆に、首相の指導力を弱めてしまう結果になりはしないかという、権力の二重構造、制度並立の難しさを懸念しています。たとえ政党人たる国会議員から選出するにしても、直接選挙によれば必ずしも国会の多数政党から首相が誕生するとは限りませんし、国会議員以外から首相が任命されることになれば、尚のこと、制度上よほど強い権限を首相に持たせなければ議会運営は至難を極めるものと予測されます。

 二つめに、国家元首における整合性、つまり天皇陛下と公選首相(大統領に近い)との関係を明確に図れるかという問題です。 我が国は歴史を顧みても国際社会からの評価を鑑みても、国家元首は天皇陛下であって、それを未来へ堅持していくことが、為政者として自国の歴史に責任を持つことではなかろうかと思っています。

 最後に、現代の日本の政治を取り巻く環境や構造から察すれば、やはり人気投票に陥る可能性が否めないことや、マスメディアを始めとした世論を形成する過程にまつわる一抹の不安を感じざるを得ないのが正直なところです。首相公選は、一過性のブームの中で議論されるものではなく、そのメリット・デメリットをしっかり煮詰め成熟した議論が求められてしかるべきと存じます。

右松たかひろ

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