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みぎまつコラム

大企業の法人課税について

2008年05月01日

 国内企業において大企業が占める割合は僅か3%程度ながらも、雇用では全労働者の3割近くを担っています。また、法人税を収めている利益計上企業が全体で3割にも満たない中で、法人税収の寄与度を見ますと、資本金1億円以上の大企業で全体の65%も占めているのが現状です。そういった中、経済界を中心に、「日本の法人税率は諸外国に比べ高いのでもっと下げるべきであり、財政の健全化を図るための税制改革で最大のテーマは消費税の引き上げにある」との主張が聞かれますが、仮に、国税部分に当たる法人税を現在の30%から20%に引き下げた場合、税収が約4兆円も落ちることになります。現在の30%の水準に至るまでに、この20年間で税率が12%引き下げられており、法人税収面でも19年前の19兆円の規模から直近の平成18年度が13兆8千億円と28%も目減りしていることも併せ鑑みて、且つ、法人税の減収分を消費税の増税でまかなうということになれば、国民の理解が得られるとは思えないわけです。それでもあくまで、国際比較から法人税率の削減を主張するならば、欠損金の繰り延べを5年から7年に延長した税制改正を見直し、期間を短縮することで、欠損企業の割合を減らし、今まで営業収益を上げているにもかかわらず法人税を免れていたところを是正していく必要があると思います。大企業の中でも、欠損企業となって法人税を免れている企業が4割も存在をしていると言われます。少なくとも、資本金1億円以上の大企業などは売り上げに応じて法人税を納めるように改めていかない限りは、経済界が主張する法人税の引き下げについて、現在の財政状況から検討するのは難しいと考えます。(ちなみに、資本金1億円以上の企業で今まで法人税を納めなくて済んだ欠損企業が営業収益に見合った税を負担すれば、3兆6千億円も税収入が上がるという試算も出ています。)

 尚、法人税の実効税率を国際比較で見てみると、日本が国税の法人税と地方税の事業税・住民税を足した実効税率が40.69%に対して、アメリカ(カリフォルニア州)40.75%、ドイツが今年から減税され29.83%、フランスが33.33%、イギリスが今月から減税され28%、中国が33%から本年度以降は一気に減税され25%、韓国が27.50%となっています。一見すると、我が国の法人税の実効税率は比較的高い水準にあると見がちですが、社会保険料率や控除制度、或いは消費税率など、他国の税制全般から考えると、単純に法人税率だけでは課税の重さは比較ができない側面があります。

右松たかひろ

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